マネーのクレジット FX初心者研究会

証拠金引き上げで商品相場が急落!?

一部の国際商品相場の値動きが上昇傾向から一転し、急落しました。これまで商品市場では金融緩和などの影響による余剰マネーの流入先となってきましたが、ニューヨーク市場では銀や原油先物の取引にかかる証拠金の相次ぐ引き上げにより、市場参加者の取引コストが上昇しました。相場の先行きに不透明感が強まって、投資家心理の悪化が商品価格の乱高下につながっています。

 

不安定な値動きの背景には、相次ぐ取引証拠金の引き上げがあります。取引証拠金制度は、先物取引の決済リスクを減らすため、取引所などが投資家にあらかじめ取引額の一部を預託するように求める仕組みです。一般的に相場変動が大きくなると決済リスクが高まるので、多めの証拠金を求めることになります。米国の金融緩和によるカネ余りを受け、余剰マネーが商品関連の先物や上場投資信託(ETF)に流入しましたが、商品市場は株式や為替市場などに比べて市場規模が小さく、価格の変動幅が大きいのが特徴です。

 

ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)を運営する米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループは、5月9日に原油国際相場の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物について、取引証拠金を25%引き上げると発表しました。ちなみに適用は10日の取引終了後からです。ウェブ上では、北海ブレント原油やガソリン、灯油などの先物の証拠金引き上げも公表しています。先に実施されたCMEの証拠金引き上げで銀先物相場(CMEは、銀先物の証拠金率を2週間で4回引き上げた)が急落するきっかけにもなっていたため、警戒感から原油先物は発表後の時間外取引で下落し始め11日には、原油やガソリン先物が取引を一時中断するに至っています。原油価格は2月からほぼ一本調子で上昇してきましたが、5月に入り乱高下する場面が増えてきています。米エネルギー省が発表したガソリン在庫が市場予想に反して増加したことから、価格高騰の反動で需要が減るとの懸念が強まったことも一因です。ニューヨーク原油先物WTIの期近6月物は、1バレル=98.21ドルと前日よりも5.67ドルも急落し、100ドルの大台を割り込んでいます。国際商品の総合的な値動きを示すロイター・ジェフリーズCRB指数を見ても、4月末をピークに足元は調整してきています。相次ぐ証拠金の引き上げは、米景気にマイナスの影響を与えている商品高騰を防ぐため、政治的な圧力があったのではとの憶測も囁かれるほどです。

 

本来、原油など商品価格の下落は米個人消費を後押してプラスに働くはずですが、米経済の回復は遅々として進んでいません。もし、商品市場でマネーが収縮するようであれば、株式などリスク資産全体で調整が強まる可能性があります。今のところ原油先物では、米エネルギー省の週間統計で原油在庫の増減が一時的に影響している面も見受けられ、本格的な調整に入るか不透明です。為替市場でも資源国通貨を中心に上値の重い展開も予想され、商品市場の動向に注目が集まっています。

 

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